Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
元来が縁談で始まったことだから……」
「話を打ち毀しても宜いのなら早い。僕だって好い心持はしていないんだから、何ならこれからでも乗り込んで、校長さんに取引所論の講義をしてやる」
「まあ/\、待ってくれ。急いては事を仕損じる」
「今夜ノートをよく読んで置いて、明日にしても宜い」
「貰えなくちゃ困るよ。矢っ張り縁談が第一だ。議論は第二にしてくれ給え」
「オホヽヽヽ」
「ハッハヽヽ」
「何うぞ御ゆっくり御相談を」
と久子さんは気を利かして、もうそれ丈けで下りて行ってくれた。
「君、斯うなったら、見識を捨てゝかゝる方が早いぜ。理窟は後廻しにして」
「うむ。実はその積りだけれど、奥さんの手前さ」
「それを見て取ったんだよ。何んなものだい?」
と菊太郎君は威張った。
「あの人を貰えさえすれば、株屋は悪魔でも外道でも宜いんだ」
「ひどく譲歩したね」
「君に一任する。何とかして、貰ってくれ給え」
「宜いとも。僕はあんな無理な縁談に成功している。無論君のお蔭もあるけれど、あれでコツが分った。女相手なら、見識を捨てゝかゝれってことだ」
「成程」
「僕は見識を捨てゝいるから、久子さんは実によく愛してくれる」