Japanische Klassiker mit Furigana
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ほくしてんびょう
北支点描
豊島 与志雄
Lesen Sie 北支点描 (ほくしてんびょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.183 Zeichen · 11 Bildschirme
天壇のうちでも殊にその圜丘は現代人の心をも打つ魅力を持っている。遠くから見れば、森の中に築かれた白大理石の段丘であり、三段にめぐらされた白色の欄干のみが目につく。ここは昔、毎年冬至の未明に、天子斎戒して昊天上帝を祭られた所で、その壇の円形は天円地方の義に則り、壇上の敷石や欄干や階段などは天数に応じて九の数が選ばれている。それらのことが、ただ圜丘のみで他に何の建造物もないこの壇上で、おのずから感ぜらるるほど、簡素な豪華さを具えてるのである。
散歩場所についても同様で、有名な中央公園や北海公園や中南海公園などよりも、更にすぐれた所がある。朝廷の宗廟たりし太廟の後ろで、多少の時間を持つ散歩者は、一度は必ず足を運んでみるがよい。そこの、柏樹の大木のもとの粗末な卓子に倚って、粗末な茶をすすっていると、精神の疲労はたちまち癒えるし、元気な者は恋を語ってもよかろう。鳩の羽音に驚いて立上れば、低い石塀を越して、堀の向う、旧紫金城の城壁下の人通りも少い広場には、看相を業とする老人が机を据えており、その横では、地面に設けられた輪投遊びを貧しげな人々が楽しんでいる。
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