Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほっかいのなみにさらわれたが

北海の波にさらわれた蛾

小川 未明

Lesen Sie 北海の波にさらわれた蛾 (ほっかいのなみにさらわれたが) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.968 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

「あなたがたは、どこから、ここへ飛んできたのですか?」

「あちらの暗い、深林の中から飛んできました。もう、あの陰気なところは、いやでたまりません。」

「そうじゃありません。いつか、恋しくなることがありますから……。」と、白いりんごの花は、静かにいいました。

蛾たちは笑いました。こんなにじょうぶな羽を持っているのに、生まれた林に、いつまでもじっとしている理由がわからなかったからです。

「私たちにも故郷があります。それは、遠い北海の中の島です。そこには、どんなにりんごの木がたくさんあることか。そのほか、いろいろの草があって、香気の高い紫色の花や、黄色の花が、春から、秋にかけて絶えず咲いています……。」

「どうして、こんなに遠いところへ、あなたたちはいらしたのですか?」と、こんどは、蛾が花に向かってたずねました。

「人間が、その島から、私たちをつれて、こんなところへ持ってきたのです。人間は、かってなことをするものです。私たちは、もうどんなことがあっても故郷へ帰ることはできません。」と、花は、悲しそうにいいました。

「そうですね。あなたには、飛ぶ羽がありませんものね。