Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
に甚だ稀だったが今は夥しく殖えイングランド、アイルランドまたしかり、オーストラリアとニュージーランドへは最初遊猟か利得のため熟兎を移すとたちまち殖えて他の諸獣を圧し農作を荒らす事言語に絶し種々根絶の方法を講じ居るが今に目的を達せぬらしい。しかしおかげで予ごとき貧生は在英九年の間、かの地方から輸入の熟兎の缶詰を常食して極めて安値に生活したがその仇をビールで取られたから何にも残らなんだワハハハ。日本に熟兎を養う事数百年なるもかかる患害を生ぜぬは土地気候等が不適なはもちろん、生存競争上その蕃殖を妨ぐるに力ある動物が多い故と惟う。しかし熟兎はなくとも兎ばかりでも弱る地方多きは昔よりの事でその害を防ぐ妙案が大分書物に見える。例せば『中陵漫録』五にいわく「兎蕎麦の苗を好んで根本より鎌で刈ったごとく一畦ずつ食い尽くす、その他草木の苗も同じく食い尽くす事あり、いかようにしても防ぎがたし、これを防ぐには山下の粘土を取り水にてよく泥に掻き立てその苗の上より水を灌ぐがごとく漑ぎ掛くれば泥ことごとく茎葉の上に乾き附いてあえて食う事なし、苗の生長には障らず、およそ圃の周り二畦三畦通りもかくのごとくすれば来る事なし、圃の中まで入りて食う事を知らず、米沢の深山中で山農の行うところなり」