Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
二〇七頁)。陳蔵器曰く兎の肉を久しく食えば人の血脈を絶ち元気陽事を損じ人をして痿黄せしむと、果してしからば好色家は避くべき物だ。また痘瘡に可否の論が支那にある(『本草綱目』五一)。予の幼時和歌山で兎の足を貯え置き痘瘡を爬くに用いた。これその底に毛布を着たように密毛叢生せる故で予の姉などは白粉を塗るに用いた。ペピイスの『日記』一六六四年正月の条に兎の足を膝関節込みに切り取って佩ぶれば疝痛起らずと聞き、笑い半分試して見ると果して効いたとある。鰯の頭も信心と言うが護符や呪術は随分信ぜぬ人にも効く、これは人々の不自覚識に自然感受してから身体の患部に応通するのだとマヤースの『ヒューマン・パーソナリチー篇』に詳論がある、私なんかも生来の大酒だったが近年ある人から妻が諫めて泣く時その涙を三滴布片に落しもらいそれを袂に入れ置くと必ずどんな酒呑みもやまる物と承りましてその通り致し当分めっきりやみました。プリニウスの『博物志』八巻八一章に兎の毛で布を織り成さんと試みる者あったが皮に生えた時ほど柔らかならずかつ毛が短いので織ると直ぐ切れてしもうたと見ゆ、むやみに国産奨励など唱うる御役人は心得て置きなはれ。