Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
切れぬ縁ありと信ずるその物をその一族の族霊というので、予は先年『人類学雑誌』上でわが邦諸神の使い物は多くその神を奉ずる一族の族霊たりし由を説いた。例せば確か兎は気比宮か白山の神使だった、ローマのカイゼルが英国に討ち入った時兎雄鶏鵞を食わぬ民あったと記したが、その風近世まで残り兎を畜うてこれを殺さんとする者その由を兎に告げると兎自殺したという。ビッデンハムでは九月二十二日ごとに白兎を緋の紐で飾り運んでアガサ尊者の頌を歌い村民行列す。未婚の女これに遇わば皆左手の拇指と食指を伸して兎に向い処女よ処女よ他をここに葬れと唱う。その意味十分に判らぬが昔兎を族霊として厚く葬った遺風とだけは確かに知れる(一九〇八年版ゴム『歴史科学としての民俗学』二八七頁)。西暦紀元六十二年駐英ローマ兵士がイケニ種の寡后ポアジケアを打ちその二女を強姦せしよりポアジケア兵を挙げた時、后まず懐より兎を出しその動作を見て必勝と卜い定め臣下皆そのつもりで勇み立ちてたちまちローマ方七万人を鏖殺したがついに兵敗れて後は自ら毒を仰いで死んだ。これ古ブリストン人が兎を族霊として卜占に用いたのだとゴムは論じた。