Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
先祖来護りくれた族霊を殺し食うてその祭を済ますドイツ人の所行これに同じ。しかし日本人も決して高くドイツ人を笑い得ず、予が報国の微衷もて永々紀州のこの田舎で非常の不便を忍び身命を賭して生物調査を為し、十四年一日のごとく私財を蕩尽して遣って居るに、上に述べた川村前知事ごとき渝誓してまで侮辱を加え来る者がすこぶる少なからぬからというて置く。
民俗学者の説に諸国で穀を刈る時少々刈らずに残すはもと地を崇めしより起る。例せばドイツで穀母、大母、麦新婦、燕麦新婦、英国で収穫女王、収穫貴婦人など称し、刈り残した稈を獣形に作りもしくは獣の木像で飾る、これ穀精を標すのでその獣形種々あるが、欧州諸邦に兎に作るが多い、その理由はフレザーの大著『金椏篇』に譲り、ここにはただこんな事があると述べるまでだ。グベルナチス説に月女神ルチナは兎を使い出産を守る。パウサニアスに月女神浪人都を立てんとする者に教え兎が逃げ込む林中に創立せしめた譚を載す。インドにもクリアン・チャンド王狩りすると兎一疋林に入りて虎と化けた、「兎ほど侮りゃ虎ほど強い」という吉瑞と判じてその地にアルモウー城を建てたという。