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Japanische Klassiker mit Furigana

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じゅうにしこう

十二支考(上)〔全2冊〕

南方 熊楠

Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme

Aozora Bunko

想うに一九などの小説にしばしば繰り返された一話はこの仏語より来たんでないか、いわく猫を畜って名を命んと苦心し猫は猫だから猫と号づく、さて攷うると猫より強いから虎、それよりも強い故竜、竜は雲なくんば行き得ぬ故雲、雨ふれば雲散ずる故雨、それを吹き飛ばす風、風を防ぎ遮る障子、それを噛み破る鼠と段々改称してさて鼠より猫が強いので猫を猫と号づけて最初の名に戻ったと。虎や獅に王威ある由を述べたついでに言い置くは虎の威を仮る狐てふ諺だ、これは江乙が楚王に〈狐虎の威を仮る〉と言った故事で『戦国策』に出ている。『今昔物語集』巻五第二十一語に天竺の山に狐と虎住み、その狐虎の威を仮りて諸獣を恐す、虎行きて狐を責め狐恐れて逃ぐるほどに井に落ちたとありて、弁財天と堅地神の縁起譚だがその出処が解らぬ。芳賀博士の攷証本にも聢と出ておらぬ、多分インドで出来たのでなく江乙の語に拠って支那で作られたものかと思う。

マルコポロ紀行に元世祖将官に位勲の牌を賜い佩用せしむるに、金また銀を鍍した牌に獅の頭を鐫り付けたとあるが、ユールの註に拠るとマルコの書諸所に虎を獅と訛称しあるそうだ。古くより虎賁などいう武官職名もあり、虎符を用いた事もあるから件の牌には虎頭を鐫り付けたのだろう。