Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
一七六九年版、バンクロフトの『ギヤナ博物論』二〇八頁にいう火蛇は、ギアナで最も有毒な蛇だが、好んで火に近づき火傍に眠る印度人を噛むと。またいう、コンモードは水陸ともに棲む、長十五フィート周十八インチ、頭扁く濶く、尾細長くて尖る、褐色で脊と脇に栗色を点す。毒なしといえどもすこぶる厄介な代物で、しばしば崖や池を襲い鵞や鶩を殺す。土人いわく、この蛇自分より大きな動物に会えば、その尖った尾を敵手の肛門に挿し入れてこれを殺す、故にその地の白人これを男色蛇と称うと。どうも虚譚らしいが、これにやや似て実際今もあるはブラジルのカンジル魚だ。長わずか三厘三毛ほどで甚小便の臭いを好み、川に浴する人の尿道に登り入りて後、頬の刺を起すから引き出し得ず。これを以てアマゾン河辺のある土人は、水に入る時椰子殻に細孔を開けて男根に冒せる。また仏領コンゴーの土人は、最初男色を小蛇が人を嚥むに比し、全然あり得べからぬ事と確信した(デンネットの『フィオート民俗篇』)。
件の男色蛇に似た事日本にもありて、『善庵随筆』に、水中で人を捕り殺すもの一は河童、一は鼈、一は水蛇、江戸近処では中川に多くおり、水面下一尺ばかりを此岸より彼岸へ往く疾さ箭のごとし。