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Japanische Klassiker mit Furigana

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じゅうにしこう

十二支考(上)〔全2冊〕

南方 熊楠

Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme

Aozora Bunko

故アーネスト・ハートなどは、人と語る中ややもすれば句切り同然に放っていたが、それは廉将軍の三遺失に等しく、甚く耄れたのだ。今日満足な欧人で音さえ立てずば放捨御免など主唱する者なく、上流また真面目な人はその話さえせぬ。却説一昨年岡崎邦輔君の紹介である人が予に尋ねられたは、何とかいう鉄道は鬼門に向いて敷設され居るとて一向乗客少ない。鬼門など全く開けた世に言うべき事でない理由を弁じて衆妄を排し、かの鉄道の繁栄する方法がありそうなものというような事だった。因って予岡崎君に返事した大要は、マックズーガル説に、人間は訳が判ったからって物を怖れぬに限らぬ。自分は動物園の鉄圏堅くてなかなか猛獣が出で来るべきにあらずと知悉すれど、虎がこっちへ飛び掛りて咆ゆるごとに怖ろしくてわが身の寒きを覚えるを制し得なんだ事ありとあったと記憶する。それと等しく鬼門の祟りなど凡衆にとって有無ともに確証を認めぬながら、君子は有るを慮り無しを慮らず、用心に越した事なしてふ了簡がほとんど天性となり居るところへ以て、蘇張の弁でその妄を説いたって容易に利く事でなかろう。かつそれ風を移し俗を易えるは社会の上層から始め、下これに倣うてようやく事成る。