Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme
互いに色に染み、情にめでてこそこの道迷いは重くも深くもあるべし。ただ何となき児姿をこそいえ心はただなおにこそ思わめ」と譏られた男子同性愛も、事昂ずればいわゆるわけの若衆さえ、婦女同然の情緒を発揮して、別れを恨んで多数高価の鶏を放つに至ったのだ。わが国でこの類の最も古いらしい伝説は、神代に事代主命小舟で毎夜中海を渡り、楫屋村なる美保津姫に通うに、鶏が暁を告ぐるを聞いて帰られた。一夜、鶏が誤って夜半に鳴き、命、周章舟を出したが櫓を置き忘れ、拠なく手で水を掻いて帰る内、鰐に手を噬まれた。因って命と姫を祀れる出雲の美保姫社辺で鶏を飼わず。参詣者は鶏卵を食えば罰が中るとて食わぬ(『郷土研究』一巻二号、清水兵三氏報)。
『秋斎間語』二に「尾州一の宮の神主、代々鶏卵を食せず云々、素戔嗚尊の烏の字を鳥に書きたる本を見しよりなり。熱田には筍を食わず、日本武尊にて座す故となん云々。さいえば天下の神人はすべて紙は穢れたる事に使うまじきや。また、津島の神主氷室氏、絵くに膠の入りたる墨を使わず、筆の毛は忌まざるにや」。もっともな言い分ながら鶏卵を食わぬには古く理由があっただろう。