Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme
暁に近づくとニエニエと鳴く鳥あり。昨夜はゴキトウの鳴くまで飲んだとか、ニエの声で起きたとか、あらまし時計代りに語り用ゆと。時計の運搬のならぬ処までも酒は行き渡り居るらしい。支那の三十六禽に雉と烏を鶏に属したは、鶏、烏と斉しく雉も朝夕を報ずるものにや。『開元天宝遺事』に商山の隠士高太素、一時ごとに一猿ありて庭前に詣り鞠躬して啼く、目けて報時猿と為すと、時計の役を欠かさず勤めた重宝な猿松だ。『洞冥記』に影娥池の北に鳴琴の院あり、伺夜鶏あり、鼓節に随って鳴く、夜より暁に至る、一更ごとに一声を為し、五更に五声を為す、また五時鶏というとある。時計同様に正しく鳴く鶏だ。『輟耕録』二四にかつて松江鍾山の浄行菴に至って、一の雄鶏を籠にして殿の東簷に置くを見てその故を請い問う。寺僧いわく、これを畜うて以て晨を司らしむ。けだし十余年なり、時刻爽わずと、余窃かに記す。張公文潜の『明道雑志』にいわく、鶏能く晨を司る事経伝に見われて以て至論と為す、しかれどもいまだ必ずしも然らざるなり。あるいは天寒く鶏懶ければまさに旦ならんとするに至っていまだ鳴かず。あるいは夜月出る時、隣鶏ことごとく鳴く、大抵有情の物自ずから常ある能わずしてあるいは変ずるなり。