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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

いつの間にそこへ来ていたものか、山深い木曽の土地などでは、とうてい見ることの出来ないような、洗い上げた婀娜な二十五、六の女が、銚子を持って坐っていた。三白眼だけは傷であったが、富士額の細面、それでいて頬肉の豊かの顔、唇など艶があってとけそうである。坐っている腰から股のあたりへかけて、ねばっこい蜒りが蜒っていて、それだけでも男を恍惚させた。

「これは……」と貝十郎は思わず云ったが、釣り込まれて盃を前へ出した。

「はい」と女は上手に注いだ。

キュッと飲んで置こうとするところを、

「お見事。……どうぞ、お重ねなすって」

云い云い女は片頬で笑い、上眼を使って流すように見た。

「では……」「はい」

「これはどうも」「駈け付け三杯、もうお一つ」「さようか」「さあさあ」「こぼれましたぞ」

「これは失礼。……ではその分を……」「え?」

五

「いいえさ、今度こそ上手に、ホ、ホ、散らぬようお注ぎいたします」

「うーん、どうもな、大変な女だ」

「まあ失礼な、お口の悪い」

「いやはや、ご免、地金が出ました」

「今度は罰金でございます」

「と云うところでもう一つか」

「それもさ、今度は大きい器で」