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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

(いけない)と貝十郎は帯を解く手を止め、その手で大小を手ばさんだ。与力としての良心が、にわかに閃めいたからである。襖をあけて廊下へ出た。しかしすぐによろめいた。(はてな、悪酔いをしたらしいぞ)

ヒョロヒョロヒョロヒョロと先へ進んだ。

六

廊下の片側が雨戸になっていて、その一枚が開いていたので、そこから裏庭へ出て行った時にも、貝十郎の酔は醒めていなかった。

遅い月が出て植え込みの葉が、いぶし銀のように光っている蔭から、男女の話し声が聞こえて来た時には、しかし貝十郎も耳を澄ました。

「おい豊ちゃんどうなんだい」

「鏡ちゃん、駄目だよ、まだなんだよ」

「駄目、へえ、どうして駄目なんで?」

「あの人どうにも固いのでね」

「何んだい、豊ちゃん、意気地がないなあ」

「鏡ちゃんだって意気地がないよ。二度も三度も縮尻ったじゃアないか」

「邪魔がそのつど出やがるのでね。それもさいつも同じ奴が。江戸者らしい侍なんだよ」

「江戸者らしい侍といえば、妾もそういうお侍さんへ、酒を飲ませて酔いつぶしてやったよ」

「邪魔の奴はつぶしてしまうがいいなあ。……でないといい目が見られないからなあ。