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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

この時またも庭の方から、女と男の叫び声が、逼迫して聞こえて来たからであった。で、貝十郎は飛び出して行った。月光の中でお豊と猪之助とが――諸人接待の馳走の席で、憎々しい反抗的態度と言葉とで、征矢野家の先代の悪口を、憚らず云っていたごろつきのような男――その猪之助とが格闘していた。と、前方から一つの人影が、二人目がけて走って来た。

「鏡ちゃん! いいところへ! 早く来ておくれ!」

「姉さん! あぶない! ……おのれ猪之助!」

「何を、こいつら! 邪魔をするな!」

二人の格闘が三人となった。貝十郎は走って行こうとした。悪酔いがいまだに醒めなかった。足が云うことを聞かなかった。

「わッ」「斬ったな!」「態ア見やアがれーッ」「あれーッ! 皆さん! 来てくださいヨ――!」

一人が地上へぶっ倒れた。と、つづいてもう一人倒れた。そこから一人が走り出して来た。

「待て!」と貝十郎は身を挺して、走って来た猪之助を遮ろうとした。体が云うことをきかなかった。

「邪魔だ! こいつも!」

ドッとぶつかった。よろめいた貝十郎の横をすり抜け、土蔵づくりの建物の中へ、猪之助は一散に走り込もうとした。