Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
「これは御意にございます」――で、そう云ったというものさ。
「十二神!」
と、すると館林様は、不意に鋭い口調をもって、こう我輩を呼びかけたものだ。
「この席にいる客人を、お前、何んとか思わないかな?」
「はい、いいえ、別に何んとも。……」
云い云い我輩は座を見廻した。善美を尽くした丸田屋の、夏別荘の大広間には、二十人あまりの客があって、出された酒肴を前にして、湧くような快談に耽っていたが、その客人はいずれも男で、女は雑っていなかった。
(はい、いいえ、別に何んとも。……)事実我輩はこういうように答えた。がしかしこれは嘘なのだ。何んとも思わないどころではない、いずれもとんでもない客ばかりなのだからな。身分と姓名とを挙げて見よう。
生駒家の浪人永井忠則(今は大須の講釈師)、最上家の浪人富田資高(今は熱田の寺子屋の師匠)、丹羽家の旧家臣久松氏音(今は片端のにわか神官)、那須家の浪人加藤近栄(今は鷹匠町の町道場の主)、土方家の浪人品川長康(今は虚無僧として一所不住)、大久保家の旧家臣高橋成信(今は七ツ寺の大道売卜者)、青山家の浪人西郷忠英(今は寺町通りの往生寺の寄人)、桑山家の浪人夏目主水(今は大道のチョンガレ坊主)、久世家の旧家臣鳥井克己(今は大須の香具師の取り締まり)、石川家の浪人佐野重治(今は瑞穂町の祭文かたり)