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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

口の中で呟いて、十平太は見詰めていた。

「ああそうだよ。これが地理書さ。……上陸すると俺はすぐに城代屋敷まで行ったものさ。かなり厳重な構えであったが、忍ぶことにかけては得意だからな。うまうま盗み出したというものさ」

「しかし頭領」と十平太は椅子に腰をかけながら、「あなたは町奉行手附きの者に捕らえられた筈ではありませんか」

「うん」

と紋太夫は頷いたが、「いかにも俺は捕らえられ住吉の海辺で首を切られたよ。が、この通りここにいる。そうしてお前と話している。ハハハハ、これでいいではないか。ただし首へはさわるなよ。ひょっと落ちると困るからな」

書籍を取り上げ頁を翻し、じっと一所を見詰めたが、ガラリ言葉の調子を変え紋太夫はこう云った。

「聞け十平太! よく聞くがいい! 宝は海の東南にあるそうじゃ」

「どのような宝でございますな?」

「隠されたる巨万の富だ!」

紋太夫は愉快そうに云う。

三

「隠されたる巨万の富?」十平太は鸚鵡返しに、「場所はどの辺でございますな?」

「遠い遠い海のあなたのメキシコという国じゃそうな」

「メキシコ? メキシコ? 聞かぬ名じゃ」

十平太は呟いた。