Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
熱国の夕暮れの美しさ。真紅黄金色、濃紫落ちる太陽に照らされて、五彩に輝く雲の峰が、海のあなたにむら立ち昇り、その余光が林の木々天幕の布を血のような気味の悪い色に染め付けている。
鳥の啼く音や猿の叫び声や豹の吠え声や山犬の声などが、林の四方で騒がしくひっきりなしに聞こえていたが、それはどうやら遠征隊の傍若無人の振る舞いを怒っているようにも聞きなされた。
と、一羽のメキシコ孔雀が虹のような美しい尾をキラキラ夕陽に輝かせながら林の奥から飛んで来たが、天幕の側の低い木へ静かに止まって一声啼いた。
「やあ孔雀だ。綺麗だなあ」
こういう声が聞こえたかと思うと、天幕の口から一人の少年がひらりと身軽に走り出た、これはホーキン氏の令息でジョンと云って十二歳のきわめて愛らしい美少年であった。
「よし、こん畜生捕まえてやるぞ」
跫音を忍んで近寄って行き、そっと片手を差し出すと、孔雀はピョンと一刎ね刎ね他の灌木へ飛び移った。
「おやおや、こいつ狡猾い奴だ」
ジョンは口小言を云いながらまたそっちへ近寄って行く。
とまた孔雀は他の木へ移った。
「いけねえいけねえ」
と呟きながらジョンはそっちへ追って行く。