Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
「何、聖典! 聖典とは?」
「それには諸の尊い智恵が記されてあるのでございます」
「そうして誰が盗んだのだ?」
「旅籠屋の主人でござります」
「その旅籠屋はどこにある!」
「林の奥でござります」
「では俺が取り返してやろう」
「どうぞお願い致します。どうぞお願い致します」
「それにしても不思議だな。どうして日本語を知っておるな?」
「それには訳がございます。いずれお話し致します。聖典をお取り返しくださいませ」
「心配するな。取り返してやる」
紋太夫は林を分け奥へ奥へと進んで行った。
「重ね重ね不思議なことだ。いろいろの事件にぶつかるわい」
行っても行っても深い林は容易に尽きようとはしなかった。
十六
建物の様子でそれと知れる土人旅籠の前まで来た時、その戸口から一人の土人が、笑いながら現われた。筋骨逞しい若者である。
何か紋太夫へ話しかけたが、土人語で要領を得ない。
そこで、度々の経験で、今はすっかり熟達している、例の手真似で紋太夫はその若者へ話しかけた。
「お前の所は旅籠屋かな?」「はいさようでございます」
「どうだ俺を宿めてくれぬか?」「どうぞお宿まりくださいますよう」