Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
そこで彼は江戸を去り、京都西山に閑居したが、所司代から圧迫されたので、名古屋へ移って住むことになったが、武士であっては都合が悪いと云うので、とうとう大小をすててしまい、大須観音の盛り場の――今日いうところの門前町へ、袋物の店を出し、商人として世を終った。
(その屋号を『かみ屋』と云い、今日も子孫が残っていて、同じ門前町に営業している)
彼が与力であった頃の、風俗というのが粋で渋く、次のようなものだったということである。
額は三分ほど抜き上げ、刷毛先細い本多髷、羽織は長く、紐は黒竹打ち、小袖は無垢で袖口は細い、ゆきも長く紋は細輪、そうして襦袢は五分長のこと、下着は白糸まじりの黒八丈、中着は新形の小紋類、そうして下駄は黒塗りの足駄、大小は極上の鮫鞘で、柄に少し穢れめをつける、はな紙は利久であった。こういう風俗で十八大通や、蜀山人などと連れ立って、吉原などへ行ったものらしい。
「饒舌にしてわずらわし」――彼についてこう云われている。
「油坊主」「蝉時雨」――などというような綽名さえ、彼にはあったということであるが、しかし彼の饒舌は、もちろん天性にもあったろうけれども職掌からも来ているらしかった。