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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

物を贈るにも流行がある。以前には岩石菖が流行ったっけ)

以前に田沼主殿頭が、病床に伏したことがあった。病気見舞いのある大名が、主殿頭の家臣に訊ねた。

「この頃は田沼主殿頭殿には、何をご愛玩でございますかな?」と。

「岩石菖をご愛玩でございます」

するとそれから二、三日が間に、岩石菖の贈物が、大きい座敷二つを埋めて、田沼家へ到来したそうである。

(ところが今では『ままごと』だ。……われもわれもと『ままごと』を贈る)

貝十郎は歩きながら、苦笑せざるを得なかった。

(これも仕方がないのだろう、贈賄という風習はな。……長崎奉行が二千両、御目附が一千両と、相場さえ立っているのだからな。……贈った方が得なんだからな。……贈賄をする。役にありつく。今度は自分が収賄をする。贈賄の額よりも十倍も百倍も、多額のものを収賄する。……贈った方が得なんだからな。……それにさ世間のそうした風習に、一人逆らって超然としていると、旧弊というので仲間っ外れにされる。そのあげくに迫害される。そればかりかそのあげくには、あいつばかりがこんな時世に、廉潔を保っているなんて、途方もない売名家だ。