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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

云い出したのは勘三であった。お菊は好まない様子であった。それだのに勘三はある日のこと、お菊に向かってこんなことを云った。

「お前が大日坊を勧めたのじゃアないか。何んだ、それだのに今になって」

大日坊は物々しい、白の行衣などを一着して、隔日ぐらいにやって来て、お島の前で祈祷をした。

と、どうだろう、娘のお島は、そういう祈祷が始まった頃から、例の奇病に取りつかれてしまった。しかし勘三も大日坊も云った。

「病気の癒りかけというものは、かえって苦しみを増すもので、その胸の痛みもやがて癒ろう。それと一緒に気欝性も、綺麗に癒ってしまうだろう」と。

しかしお島のその奇病は、いよいよ勢力を逞しゅうして、お島は眼に見えてやつれて行った。ところがある日この寮へ、一人の酒屋のご用聞きが来た。出入りの杉屋という酒屋があったが、そこへ来たご用聞きだということである。

「これからは私がご用をききに来ます。どうぞ精々ご贔屓に。へい、私は仙介という者で」

などお三どんや仲働きや、庭掃きの爺やにまで愛嬌を振り撤いた。三十がらみの小粋な男で、道楽のあげくにそんな身分に、おっこちたといいたそうなところがあった。