Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子 (ちよこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 83.104 Zeichen · 164 Bildschirme
「ネエHさん、貴方この頃の文学をどう御思いになります? 私なんかあんまり放縦なしだらのないもんだと思ってますけど。近世文学なんて私大嫌です。だから此娘にもかぶれたりなんかしてはいけないって云って居るんです」
「中々むずかしい事ですネエ」
「斯うなんです。こないだ私がネ、ダヌンチオの『死の勝利』をよんでたんです、かして御らんておかあさんがおっしゃるからかしてあげたら『こんなものがこの頃はもてはやされるのかネエこんな事を書いてさ、だからこの頃の文学はいけすかない、第一かいて居る事からしていや味でサ』って云ってらっしゃったんです、だからそれででしょう?」
千世子は話があんまり前とつづきのないどう云う事からそんな話が起ったんだかHにわかりそうにもなかったんで説明した。
「ああそれでなんですか。私になんかよく分りませんけど、生活状態が段々複雑になって行くにつれてすべて行われる日常の事が段々色で云えば濃い色になって行くらしいんです、犯罪と云う事もぜいたくさでもなんでもがたしかにそうだと思えます、そして人間の心理状態がこまっかい切子のガラスの様になって行くんです、だから感情は益々鋭敏になる筈で、感じる事書く事が皆色の濃い鋭いつっこんだものになって行くんです。