Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ(に)
千世子(二)
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子(二) (ちよこ(に)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.249 Zeichen · 31 Bildschirme
力のある満ち満ちた生き甲斐のある生活を好いて居る千世子にとって自分の囲りをかこむ人が一人でも殖えると云う事が嬉しかったし又満足されない自分の友達と云うものに対しての気持を幾分かは此人によって満足されるだろうと云う深く知り合わない人に対しての良い予期も心の裡に満ちて居た。
(二)
夜が一番美くしい。
昼間のまっすぐに通った大路は淋しい人通りがあるばっかりでいかにも昔栄えた都と云う事がしのばれます。
貴方にも都踊は見せてあげたい。
祇園の舞妓はうっかり貴方に見せられないほど美くしい可愛いもんです。
自分で書いたらしい首人形のついた絵葉書に京子からこんな便があった。
貴方にうっかり見せられないほど――
その文句を見て千世子は一人笑いを長い事した。
自分の性質をよく知って居る京子がうっかり見せられないと云うのはほんとうの事だろうと思った。「美くしい」と名のつくものは何んでも千世子はすぐ好きになったそしてもうはなしたくない様な気持になった、下らない子供のおもちゃでもまた立派な道具でも奇麗だとなるとすぐ自分の者にしたくなって仕舞う。
だから、奇麗だと思って居たものがきたなかったりするともうしんからがっかりして仕舞うのが癖だった。