Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ちよこ(に)

千世子(二)

宮本 百合子

Lesen Sie 千世子(二) (ちよこ(に)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.249 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

千世子は家の事を云う毎に必ず幸福だと云う。

希望に満ち、喜びがあふれて居る、と云う。すさんだ家庭に幼いから辛い目に会って来た肇はふっくりした、焼立てのカステーラみたいに香り高い甘味のある、たっぷりのうるおいがきめ毎にしみ込んで居る千世子の家の人達に交ると云う事はなぐさめともなり薬にもなった。

ホーム、スゥイート・ホームと云う言葉をしみじみと味わって見られたらなどと肇が云うと、母親はすぐ、

貴方がお父様になれば好い。

などと笑いながら云うと肇はフット笑いかけても唇をつぼめて苦い顔をした。

母親はそんな事を不思議がって、

あの人は過去に暗い影を持って居るんじゃああるまいか。

などと云ったけれども千世子には信じられない事だった。

物がすぐ好きになる、物事に限らず人でもすぐ信じ易い千世子は肇を普の友達としてこだわりのない気持で居たけれ共母親は深々と肇を観察して居るのが自分の為にだとは思いながら折々千世子に不愉快に思われる事もあった。

静かに育った頭と上品な話し振で、家庭の辛い裡に育った人とは思われない様な調子であった。

「彼の人の様子や頭でそんな事は無いらしい。