Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちよこ(に)

千世子(二)

宮本 百合子

Lesen Sie 千世子(二) (ちよこ(に)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.249 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

文士と云う名から気に入らないしその裡にゴチャゴチャになってホイホイして居る女の人達ももう一層嫌いだ。

千世子は亢奮した口調でこんな事を云った。

話した後で黙って聞いて居る母親と肇の顔を見るとあんまり云い過ぎたと云う様な気持になって取っつけた様に笑った。

そして、斯うやっていく分かはお調子に乗って話し込んだ自分の頭のなかみをすっかり肇に見すかされた様ないやな気がした。

それでも肇は千世子の云った事に賛成した。

男の人達の裡にだってそう云う人はいくらでもある。

よっかかりのあるうちは華に小鳥の様にさわぎ廻って居た文学ずきの人達がその頼りを失って世の中に投げ出された時、自分の持って居た自信よりも値のない自分の頭がドシーン、ドシーン、とぶつかって来る大浪を乗り切れないでその浪の中にのまれて姿の見えなくなる人が自分の友達の裡に数知れず有る、私もそうほかなれない人間かも知れない、でもやるだけはやって見る、若しそうなったらそれは私の運命なんだから。

眼先にちらつく物を追いはらう様な顔をしながら肇は低い声で云った。

幼い時っから不幸な目にばっかり会って来た自分はこれから何か仕様と云う希望はあってもいつでも何とも知れずそれに手をつけると善くない事が起って来そうに思われていけない。