Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちはやかんのめいろ

千早館の迷路

海野 十三

Lesen Sie 千早館の迷路 (ちはやかんのめいろ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.829 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

「まるで歯車が一つ一つ動き出すようなことをおっしゃいますのね」

「でも、今は、そういう道しか考えられないんですよ。もしもその間の連絡が切れているとしたら、捜査にも恐るべき島が――いや、そんなことはあるまい。連絡はきっとつく」

それから間もなく二人は、同じ迷路に再び入った。こんどはチョークを使わなかった。前に通ったときに春部がつけた夜光チョークの痕が、うすく蛍光を放って続いていた。春部にはなんだかそれがたいへんいじらしく見え、はからずも勇気を奮い起こす縁となった。

帆村の期待は外れなかった。両側とも蛍光の筋のある壁を見ながら前進して行くと、三四丁ほど歩いたと思われる頃、三つ股の辻を渡ったところで右側の壁に筋のついていないのを発見した。それこそ島に違いなかった。

帆村は春部を促して、島の側に渡って、こんどは右手に持った洋杖の先で壁を辿りながら尚も前進していった。

すると壁は、鍵の手なりに忙しくいくたびも曲った。帆村は、恐ろしい予感に身慄いした。そして春部の耳に口せ寄せて、彼女が右手でピストルを身構える必要のあるところへ近づいたことを告げた。

彼女はいわれる通りにした。