Japanische Klassiker mit Furigana
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
Lesen Sie 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.668 Zeichen · 164 Bildschirme
その高い玻璃窓は町の額のところに光って見える。
こういう土地だから、良い教育家に成ろうと思う青年の多いのも不思議は無い。種々な家の事情からして遠く行かれないような学問好きな青年は、多く国に居て身を立てることを考える。毎年長野の師範学校で募集する生徒の数に比べて、それに応じようとする青年の数は可なり多い。私達の学校にも、その準備の為に一二年在学する生徒がよくある。
一体にこの山国では学者を尊重する気風がある。小学校の教師でも、他の地方に比べると、比較的好い報酬を受けている。又、社会上の位置から言っても割合に尊敬を払われている。その点は都会の教育家などの比でない。新聞記者までも「先生」として立てられる。長野あたりから新聞記者を聘して講演を聴くなぞはここらでは珍しくない。何か一芸に長じたものと見れば、そういう人から新智識を吸集しようとする。小諸辺のことで言ってみても、名士先生を歓迎する会は実に多い。あだかも昔の御関所のように、そういう人達の素通りを許さないという形だ。
御蔭で私もここへ来てから種々な先生方の話を拝聴することが出来た。故福沢諭吉氏も一度ここを通られて、何か土産話を置いて行かれたとか。