Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
半七捕物帳
岡本 綺堂
Lesen Sie 半七捕物帳 (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.208 Zeichen · 30 Bildschirme
それだけの売れっ妓なら何かあるだろう」
「それがはっきりと見当が付かねえそうで……。もちろん馴染みの客は大勢あるんですが、なかなか手取り者らしいんで、どれがほんとうの情夫なんだか、店の者にもよく判っていないということです。これには私も困りましたよ」
それだけのことでは、半七も考えの付けようがなかった。
「きょうは嬶が留守だから、見舞はいずれ後から届けるが、小児が病気じゃあ困るだろう。まあ、取りあえずこれだけ持って行け」
半七は庄太に幾らかの金をやって、まあ午飯でも食っていけと云うと、庄太は喜んで鰻飯の馳走になった。その間に彼は又こんなことを話した。
「こりゃあ別の話ですがね。やっぱり金杉の方から吉原へ辻占を毎晩売りに来る娘があるんです。十六七で、容貌がいいのに声がいいというので、廓でもだいぶ評判になって、素見なんぞは大騒ぎをしていたんだが、それがどうしてか、去年の暮頃からちっとも姿を見せなくなってしまったので、おせっかいの奴らがいろいろ詮議したがどうもわからない。たぶん情夫でも出来て、駈落ちでもしたんだろうということになってしまったんですが、田町の重兵衛はそれに何か目星をつけた事でもあるのか、子分に云い付けてその娘のゆくえを捜させているそうです」