Japanische Klassiker mit Furigana
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はんのすけしゅうげん
半之助祝言
山本 周五郎
Lesen Sie 半之助祝言 (はんのすけしゅうげん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.997 Zeichen · 44 Bildschirme
半之助はぎょっとし、初めて自分の立場に気づいて、あいそ笑いをしながら手を振った。
「いやべつに、なんでもないです、どうぞ気にしないで下さい、ほんのちょっとした者なんですから」
「ちょっとした者とはなんだ、いったいどこから来たんだ」
「あちらです、あちらの」半之助はうしろさがりにそろそろと退却しながら、「――あの折戸があいていたものですから、お庭もきれいでしたし、鯉もいるし、貴方は失礼ですが、その、鯉の方面では専門家でいらっしゃるらしいですな」
だいたい距離はいいらしい、半之助はもういちどあいそ笑いをし、向き直って、木戸のほうへ悠然とたち去った。
「おうへいな口をきく爺いだ」
外へ出ると、彼はこう呟いた。
「猛犬みたような顔をして、こんなふうな眼つきで、おまえはなに者だなんて、……たぶん庭番の元締めかなにかだろうが、ふざけた爺いだ」
中一日おいて、玄武社の連中が誘いにやって来た。それは埴谷城代のむちゃな治績を、実地に当って説明するのだそうで、まず初めに竜神川の堤防へ伴れてゆかれた。
そこは城下町の東北一里ばかりの処にあり、きわめて諧謔的な、自然を揶揄するかのような景観を呈していた。