Japanische Klassiker mit Furigana
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はんのすけしゅうげん
半之助祝言
山本 周五郎
Lesen Sie 半之助祝言 (はんのすけしゅうげん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.997 Zeichen · 44 Bildschirme
彼はこう云って片手をその大堤防のほうへ振ってみせた。
「あの壮厳な、不易の大磐石のような、古今無類の大堤防、あれなら天地のひっくり返るような大洪水でもびくともしやあしません、百年、千年、万代ののちまで微動もしないですよ、これでこそ政治というものです、これだけの川に対してこの大堤防、これが百年の政治というものです、……金が何千万かかろうとなんですか、金なぞはどしどし租税を取立てればよろしい、そのために百姓が首を吊ろうと、娘を売ろうと一家離散しようと、へ、……いったい百姓とはなんですか、百姓とはなんですか、百姓などというものはそこいらの雑草か虫けら」
「ばかも休み休み云え、黙れ」
図書助が低い抑えたような声で遮ぎった。
「農は国の基い、百姓は国の宝というくらいだ、この堤防工事については多少のむりがあり、わしも考える点がないわけではない。零落した農家などには、賠償という法もとるつもりである」
「これは驚きました、御城代はそんなことを気にしていらっしゃるんですか」
「わしのことを申すな、うるさい」
図書助はどなって、なおなにか云おうとしたが、ふきげんに口をひきむすび、竿をあげて「餌を替えろ」