Japanische Klassiker mit Furigana
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はんのすけしゅうげん
半之助祝言
山本 周五郎
Lesen Sie 半之助祝言 (はんのすけしゅうげん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.997 Zeichen · 44 Bildschirme
自分がかれらと果合いを承知したのは、埴谷城代といううしろ盾があったからで、城代が辞職したとなれば迚もそんな事はできない、とうていそんな自信はないと告白した。すると図書助は、すでにその出来事を聞いていたとみえ、騙されんぞという眼で彼を見て、
「しかしおまえ抜刀流の名手で、現に弥九郎の着物の衿を眼にもとまらず」
「とんでもない」半之助は手を振った。
「――あれはごまかしです、あの衿は初めから綻ろびていたんで、それを見たものですからちょいと鍔を鳴らして、だって御城代、衿の縫目を正面から切るなんて、そんな手づまみたいな芸当ができるわけがありません」
「なんとこの、実におまえというやつは」
「しまった」半之助は口を押えた、
「――この家には玄武社へ内通する者がいるんです、今のも聞かれたに違いありません、もうだめです、私はこれから江戸へ帰ります」
「よかろう、そのほうが土地が静かになる」図書助はにやりとした。
「――望みなら辞職届けの使者ということにしてやるぞ」
「ぜひお願いします、但し今夜のうちに出立しますから、すぐお手配をして下さい」
半之助はこうたたみかけ、それから坐り直して、きまじめに相手の眼を見た。