Japanische Klassiker mit Furigana
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はんとういっきしょう
半島一奇抄
泉 鏡花
Lesen Sie 半島一奇抄 (はんとういっきしょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.324 Zeichen · 27 Bildschirme
(まだあるか、)と仰向けに起きた、坊主の腹は、だぶだぶとふくれて、鰯のように青く光って、げいと、口から腥い息を吹いた。随分大胆なのが、親子とも気絶しました。鮟鱇坊主と、……唯今でも、気味の悪い、幽霊の浜風にうわさをしますが、何の化ものとも分りません。――
といった場処で。――しかし、昨年――今度の漂流物は、そんな可厭らしいものではないので。……青竹の中には、何ともたとえがたない、美しい女像がありました。ところが、天女のようだとも言えば、女神の船玉様の姿だとも言いますし、いや、ぴらぴらの簪して、翡翠の耳飾を飾った支那の夫人の姿だとも言って、現に見たものがそこにある筈のものを、確と取留めたことはないのでございますが、手前が申すまでもありません。いわゆる、流れものというものには、昔から、種々の神秘な伝説がいくらもあります。それが、目の前へ、その不思議が現われて来たものなんです。第一、竹筒ばかりではない。それがもう一重、セメン樽に封じてあったと言えば、甚しいのは、小さな櫂が添って、箱船に乗せてあった、などとも申します。
何しろ、美い像だけは事実で。――俗間で、濫に扱うべきでないと、もっともな分別です。