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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうせつかたらんとするせいねんにあたう

半自叙伝

菊池 寛

Lesen Sie 半自叙伝 (しょうせつかたらんとするせいねんにあたう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.766 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

「老人」を読んだ人は老人にも同情し、妾をも尤もだと思い、その中の何人にも人間らしい親しみを感ぜずにはいられないだろう。情夫の子を、老人の子として、老人の遺産で養って行こうとする妾にも、我等は何らの不快も感じない。もし、自然派系の作家が扱ったならば、この題材はむしろ読者に必ずある不快な人生の一角を示したであろう。が、志賀氏の「老人」の世界は、何処までも人間的な世界である。そして、我々は老後の淋しさにも、妾の心持にも限りなく引付けられるのである。氏の作品の根柢に横たわるヒューマニスチックな温味は「和解」にも「清兵衛と瓢箪」にも「出来事」にも「大津順吉」などにもある。他の心理を描いた作品にも充分見出されると思う。

氏の作品が、普通のリアリズムの作品と違って一種の温かみを有している事は、前に述べたが、氏の作品の背景はただそれだけであろうか。自分は、それだけとは思わない。氏の作品の頼もしさ力強さは、氏の作品を裏付けている志賀直哉氏の道徳ではないかと思う。

自分は耽美主義の作品、或は心理小説、単なるリアリズムの作品にある種の物足らなさを感ずるのは、その作品に道徳性の欠乏しているためではないかと思う。