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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうせつかたらんとするせいねんにあたう

半自叙伝

菊池 寛

Lesen Sie 半自叙伝 (しょうせつかたらんとするせいねんにあたう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.766 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

吾々が小説を書くにしても、頭の中で、材料を考えているのに三四ヵ月もかかり、いざ書くとなると二日三日で出来上ってしまうが、それと同じく、小説を書く修業も、色々なことを考えたり、或は世の中を見たりすることに七八年もかかって、いざ紙に向って書くのは、一番最後の半年か一年でいいと思う。

小説を書くということは、決して紙に向って筆を動かすことではない。吾々の平生の生活が、それぞれ小説を書いているということになり、また、その中で、小説を作っているべき筈だ。どうもこの本末を顛倒している人が多くて困る。ちょっと一二年も、文学に親しむと、すぐもう、小説を書きたがる。しかし、それでは駄目だ。だから、小説を書くということは、紙に向って、筆を動かすことではなく、日常生活の中に、自分を見ることだ。すなわち、日常生活が小説を書くための修業なのだ。学生なら学校生活、職工ならその労働、会社員は会社の仕事、各々の生活をすればいい。而して、小説を書く修業をするのが本当だと思う。

では、ただ生活してさえ行ったら、それでいいかというに、決してそうではない。生活しながら、色々な作家が、どういう風に、人生を見たかを知ることが大切だ。