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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんぼくのとうかいどうよつやかいだん

南北の東海道四谷怪談

田中 貢太郎

Lesen Sie 南北の東海道四谷怪談 (なんぼくのとうかいどうよつやかいだん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.555 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

お袖は提燈をかざした。其の燈でお岩は左門の死体、お袖は庄三郎の死体を見つけた。

「あ、たいへん、こりゃ父さん」

「こりゃ与茂七さん」

お岩は左門の死体に、お袖は与茂七の死体にすがりついて泣いた。祠の陰から此の容子を見ていた伊右衛門と直助が、わざとらしく跫音を大きくして出て来た。

「女の泣声がする、ただ事ではないぞ」伊右衛門はそう云いお岩の傍へ往って、「おまえは、お岩じゃないか」

お岩は顔をあげた。

「あ、おまえは伊右衛門さん」

直助はお袖の傍へ往った。

「此方にいるのはお袖さんか」

お袖は泣きじゃくりしていた。

「父さんと同じ所で、此のように」

お岩とお袖は悲しみのあまり自害しようとした。伊右衛門は芝居がかりであった。

「うろたえもの、今姉妹が自害して、親、所天の讐を何人が打つ」

お岩はそこできっとなった。

「それでは、別れた夫婦仲でも、讐うちのたよりになってくださりますか」

伊右衛門はお岩を己の有にできるので心でほくそ笑んだ。

「別れておっても、去り状はやってないから、やっぱり夫婦、舅殿の讐も打たし、妹婿の讐も打たす」

直助はお袖を云いくるめた。

「こうなるからは、是非ともおまえの力になる」