Japanische Klassiker mit Furigana
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なんぼくアルプスつうせつ
南北アルプス通説
木暮 理太郎
Lesen Sie 南北アルプス通説 (なんぼくアルプスつうせつ) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.372 Zeichen · 11 Bildschirme
唯森林に至っては南アルプスに一日の長がある。勿論北アルプスに見るべき森林がない訳ではない。たとえば黒部峡谷や双六谷、御岳乗鞍二大火山の山腹などは、青木黒木の大森林で埋められている。然しながら北アルプスの山が雪をもって誇りとするように、南アルプスの山は到るところに誇るべき森林を有している。大井川の谷は近年伐採されて、もとの面影は半以上を失ったが、上流には今もなお上高地に優る森林がある。遠山川や寸又川の鬱蒼たる原始の美林は永久に保存したいと思う。
因に、山でよく目に触れる大な動物について述べると、北アルプスは熊の国で、南アルプスは鹿の国である。南にも熊の居らぬことはないが木立が茂っているためか容易に姿を現さない。鹿は赤石山脈の南部には殊に多く、十頭二十頭という大群が草原に結ぶ昼寝の夢を破られて、ドッと音立てながら一散に馳せて行く後姿を見ることもあれば、また野営の天幕を周って、細いがよく透る牝鹿の、遠くなったり近くなったりする鳴声を終夜聞くことなどもある。北には鹿はおらぬ。しかし熊は時として一ヶ所に三、四頭遊んでいるのを見かけることがある。羚羊は南北ともに多い。