Japanische Klassiker mit Furigana
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なんぼくアルプスつうせつ
南北アルプス通説
木暮 理太郎
Lesen Sie 南北アルプス通説 (なんぼくアルプスつうせつ) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.372 Zeichen · 11 Bildschirme
これが山の肩のあたりに三ツ乃至四ツも駢んで懸っている壮観は、北アルプスでなくては見られぬ特色である。日本に於ける高山性地貌の粋は、雪に埋もれたカールにありというも或は過言ではないであろう。南アルプスでは今のところ仙丈岳に二個、悪沢、奥西河内二山の間の山稜に極めて小規模のもの二個、合せて四個を有するのみで、全山系を挙げて北アルプスの一座の立山にさえ及ばぬのである。しかも盛夏に至れば、その中には既に雪の片影をも認められない。このカールの少ないことは残雪の少ないこととともに、南アルプスにとっては償い難き弱点であって、何としても遺憾の極みである。
北アルプスに多い山上の高原も南アルプスには絶えて見ることを得ないものである。立山の弥陀ヶ原、五色ヶ原及び雲ノ平の如きは、孰れも二五〇〇米に近い高原で、偃松があり、残雪があり、お花畑があり、清い水の流れは石原に湛えて幾つかの小池となり、朝には雲を浮べ夕には星を宿している。天上の楽園とは斯様な処を指していう言葉であろう。これ等は素より熔岩台地であるから、南や北のはずれに僅ばかりの新火山岩を有するに過ぎない南アルプスに、これを望むのは無理であるかも知れない。