Japanische Klassiker mit Furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Lesen Sie 南地心中 (なんちしんじゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.205 Zeichen · 79 Bildschirme
女連は、芝居に身が入って言も掛けず。
その中に幕が閉った。
満場わッと鳴って、ぎっしり詰ったのが、真黒に両方の廊下へ溢れる。
しばらくして、大分鎮まった時だった。幕あきに間もなさそうで、急足になる往来の中を、また竹の扉からひょいと出たのは、娘を世話した男衆でね。手に弁当を一つ持っていました。
(はいよ、お弁当、)と云って、娘に差出して、渡そうとしたっけが……」
十一
「そこに私も居る、……知らぬ間に肥満女の込入ったのと、振向いた娘の顔とを等分に見較べて(和女、極が悪いやろ。そしたら私が方へ来て食りなはるか。ああ、そうしなはれ、)と莞爾々々笑う、気の可い男さ。(太いお邪魔にござります。)と、屈んで私に挨拶して、一人で合点して弁当を持ったまま、ずいと引退った。
娘がね、仕切に手を支くと、向直って、抜いた花簪を載せている、涙に濡れた、細り畳んだ手拭を置いた、友染の前垂れの膝を浮かして、ちょっと考えるようにしたっけ。その手拭を軽く持って、上気した襟のあたりを二つ三つ煽ぎながら、可愛い足袋で、腰を据えて、すっと出て行く。……
私は煙草がなくなったから、背後の運動場へ買いに出た。