Japanische Klassiker mit Furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Lesen Sie 南地心中 (なんちしんじゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.205 Zeichen · 79 Bildschirme
そう見えた。いつの間にか、城の中へ入って、向直って。……
黒雲の下、煙の中で、凄いの、美しいの、と云ッて、そりゃなかった。」
三
「だから、何だか容易ならん事が起った、と思って、……口惜しいが聞くんです。
実はね、昨夜、中座を見物した時、すぐ隣りの桟敷に居たんだよ、今の婦人は……」と頷くようにして初阪は云う。
男衆はまた笑った。
「ですとも。それを知らん顔で、しらばっくれて、唯今一見という顔をなさるから、はぐらかして上げましたんでさ。」
「だって、住吉、天王寺も見ない前から、大阪へ着いて早々、あの婦は? でもあるまいと思う。それじゃ慌て過ぎて、振袖に躓いて転ぶようだから、痩我慢で黙然でいたんだ。」
「ところが、辛抱が仕切れなくなったでしょう、ごもっともですとも。親方もね、実は、お景物にお目に掛ける、ちょうど可いからッて、わざと昨夜も、貴方を隣桟敷へ御案内申したんです。
附込みでね、旦那と来ていました。取巻きに六七人芸妓が附いて。」
男衆の顔を見て、
「はあ、すると堅気かい、……以前はとにかく、」
また男衆は、こう聞かれるのを合点したらしく頷くのであった。