Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんちしんじゅう

南地心中

泉 鏡花

Lesen Sie 南地心中 (なんちしんじゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.205 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

……

蛇も二筋落合うた。

案の定、その場から、思いが叶うた、お二人さん。

あすこのな、蛇屋に蛇は多けれど、貴方がたのこの二条ほど、験のあったは外にはないやろ。私かて、親はなし、稚い時から勤をした、辛い事、悲しい事、口惜しい事、恋しい事、」

と懐手のまま、目をって、

「死にたいほどの事もある。……何々の思が遂げたいよって、貴方二人に類似りたさに、同じ蛇を預った。今少し、身に附けていたいよって、こうしておいておくれやす。

貴方、結ぶの神やないか。

けどな、思い詰めては、自分の手でも持ったもの。一度、願が叶うた上では、人の袂にあるのさえ、美津さん、婦は、蛇は、可厭らしな!

よう貴女、これを持つまで、多一さんを思やはった、婦同士や、察せいでか。――袂にあったら、粗相して落すとならん。憂慮なやろさかい、私がこうするよって、大事ないえ。」

と袖の中にて手を引けば、内懐の乳のあたり、浪打つように膨らみたり。

「婦の急所で圧えておく。……乳銜えられて、私が死のうと、盞の影も覗かせぬ。さ、美津さん、まず、お前に。」

お珊は長柄をちょうと取る。

美津は盞を震えて受けた。