Japanische Klassiker mit Furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Lesen Sie 南地心中 (なんちしんじゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.205 Zeichen · 79 Bildschirme
「勿論一人じゃありません――確か十二人、同じ姿で揃って練ります。が、自分の髪を入髪なしに解ほぐして、その緋の袴と擦れ擦れに丈に余るってのは、あの婦ばかりだと云ったもんです。一度引いて、もうそんなに経ちますけれども、私あ今日も、つい近間で見て驚きました。
苦労も道楽もしたろうのに、雁金額の生際が、一厘だって抜上がっていませんやね、ねえ。
やっぱり入髪なしを水で解いて、宝市は屋台ぐるみ、象を繋いで曳きましょうよ。
旦那もね、市に出して、お珊さんのその姿を、見たり、見せたりしたいばかりに、素晴らしく派手を遣って、披露をしたんだって評判です。
その市女は、芸妓に限るんです。それも芸なり、容色なり、選抜きでないと、世話人の方で出しませんから……まず選ばれた婦は、一年中の外聞といったわけです。
その中のお職だ、貴方。何しろ大阪じゃ、浜寺の魚市には、活きた竜宮が顕れる、この住吉の宝市には、天人の素足が見えるって言います。一年中の紋日ですから、まあ、是非お目に掛けましょう。
貴方、一目見て立すくんで、」
「立すくみは大袈裟だね、人聞きが悪いじゃないか。」
「だって、今でさえ、悚然なすったじゃありませんかね。