Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんきょくのかいじ

南極の怪事

押川 春浪

Lesen Sie 南極の怪事 (なんきょくのかいじ) von 押川 春浪 (おしかわしゅんろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.508 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

と、その跡を追いかけたが、博士は振り向きもせず、別荘の自分の書室に飛び込むやいなや、扉に鍵をピンとおろし、件の不思議なる書面を卓上に押しひろげ、いよいよ深く眉の間に皺を寄せて、ふたたび熱心に読み始めた。

二人の娘は室の外まで押し寄せきたり、鍵のおろされたる扉をコトコトと叩いて、

「阿父様、何か珍しい事なら聴かせて頂戴な、あら鍵なんかおろしてひどいこと――」と呟けど、博士は知らぬ顔、「お前達の聴いても役に立たぬ事だよ」と、一声云ったばかりである。じつに博士は娘にまでも秘密にするほどの事であるが、余は今敬愛なる読者諸君のためにこの書面に書いてある世にも不思議なる出来事を、少しも隠さず紹介する事としよう。

三

書面はまず左のごとき悲壮なる文字をもって始まった。

この瓶もし千尋の海底に沈まずば、この瓶もし千丈の巖石に砕けずんば、この地球上にある何人かは、何時か世界の果に、一大秘密の横たわる事を知り得べし、余はエスパニアの旅行家ラゴンと云うものなり、世界一周の目的をもって本国を去り、ヨーロッパ、アジア、アメリカの各地を遍歴して、到る