Japanische Klassiker mit Furigana
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なんきょくき
南極記
久生 十蘭
Lesen Sie 南極記 (なんきょくき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.753 Zeichen · 35 Bildschirme
この気温異変はスコット探検隊を破滅させる機縁になった。日本の探検隊は、その日、船に帰っていたので、一日ちがいで助かった。
一九二三年、スコット遭難十周年の記念講演で、英国の気象学者のシムプソン博士が、まだ世界に知られていない南極大陸の天候異変と吹雪について解説を与え、識者の注意を促したことがあったが、南極独得の大吹雪はこの地球上で最も恐るべきものの一つになっている。南極大陸の気流の動きは、大体が高気圧性で、大気は大陸から外側へ流れだすが、これに地球の自転が作用するので、風向はみな東風の分力をもっている。海岸に近い氷堤上でよく猛烈な大吹雪が起るが、これは気温の激変で、海上の気圧と内陸の気圧の差が急に大きくなったところで、移動気圧波の形式によって、唐突にはじまるのである。一九一二年はよく吹雪があり、日本の探検隊を南緯八十度〇五分のところから吹き落してしまったが、二月末から三月のはじめにかけて、約十日の間、秒速四十五米の吹雪が、一分の休みもなく吹きに吹き、スコット隊の全員五名を氷原に凍みつかせてしまった。
南極地方で内陸の探検をするということになると、南極海の氷山と流氷と長い戦いをやったのち、氷の城のように聳えたつ四百尺の氷壁を攀じのぼって、内陸氷の台地の上に出るところからはじまる。