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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

と、その時一人の若武士が先刻から群集の中にまじり、巫女の様子をうかがっていたが、思わず呟いたものである。

「洛外北山に住んでいて、時々洛中に現われては、我君を詈り時世を諷する、不思議な巫女があるという、困った噂は聞いていたが、ははあさてはこの女だな。よしよし後をつけてみよう。場合によっては縛め捕り、検断所の役人へ渡してやろう」

そこで後を追っかけた。

町を出外ずれると北野になる。大将軍から小北山、それから平野、衣笠山、その衣笠山まで来た時には、とっぷりと日も暮れてしまい、林の上に月が出た。巫女はズンズン歩いて行く。若武士もズンズン歩いて行く。

2

もうこの辺りは山である。鬱々と木立が繁っている。人家もなければ人気もない。夜の闇が四辺を領している。ズンズン恐れず巫女が行く。着ている白衣が生白く見える。時々月光が木間を洩れ、肩のあたりを淡く照らす。

鹿苑院金閣寺、いつかその辺りも通ってしまった。だんだん山路が険しくなる。いよいよ木立が繁り増さり、気味の悪い夜鳥の啼声がする。

巫女はズンズン歩いて行く。

「一体どこまで行くのだろう?」若武士はいささか気味悪くなった。