Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

九輪草が咲いている。そこへ夕陽が射している。啼いているのは老鶯である。と、駒鳥の啼声もした。

それらの物を蔽うようにして、高々と空に聳えているのは、南蛮寺の塔であった。夕陽を纏っているからであろう、塔の頂が光っている。

「これからどうしたらいいだろう?」ふと民弥は呟いた。「お父様は南蛮寺へお送りした。だからその方の心配はない。でもお父様がおいでなされない以上、誰も稼いでくれ手はない。妾のお家は貧乏だ。食べるものにさえ事欠いている。どうしてこれから食べて行こう? 妾が町へ出て行って物乞いしなければならないかしら? でも妾は恥かしい。妾にはそんな事出来はしない。でも稼がなければ食べられない。お裁縫でもしようかしら? でも頼み手があるだろうか? ……南蛮寺の謎を解き明かせた、研究材料さえ目つかれば、安土に居られる信長卿が、高価にお買い取り下さると、右近丸様は仰有ったけれど、何時になったら研究材料が目付かるものやら見当がつかない。……これから毎日右近丸様が、お訪ね下さるとはいうけれど、生活のことまでご相談は出来ない。ああどうしたらいいだろう?」

民弥はこれからの生活について心を傷めているのであった。