Japanische Klassiker mit Furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme
「『くぐつ』とは人形の別名だ。傀儡だ傀儡だ! 人形のことだ! 『てんせい』というのは眼のことだろう。画龍点睛という言葉がある。龍を画いて眼を点ずる! この点睛に相違ない。『しとう』というのは『指頭』のことだろう。指先ということに相違ない。『きようだ』というのは『強打』なんだろう。強く打てということなんだろう。――人形の眼を指の先で、強く打てという意味なのだ。そうしたら例の唐寺の謎の、研究材料の有場所が、自ずと解るということだ。うむ、そういえば弁才坊殿には『この人形を大事にしろ』と民弥殿に云ったということだ。これで解った、すっかり解った! 奈良朝時代の貴女人形、あの人形の眼さえ打ったら、唐寺の謎の研究材料、その有り場所が解るのだ。……これはこうしてはいられない。すぐ引っ返して民弥殿と逢い、あの人形を調べてみよう!」
身を翻えすと右近丸は元来た方へ引っ返した。
ちょっとの躊躇も許されない。見得も外聞も構っていられぬ。で右近丸は走り出した。
が、どんなに急いでも、人形は売られた後である。人手に渡った後である。どうすることも出来ないだろう。
まさしくそれはそうであった。