Japanische Klassiker mit Furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme
が、人形は黙っている。今度は首を捻ってみた。しかし人形は音を出さない。
「不思議だな、どうしたんだろう? あんなことを猿若は云ったけれど、物なんか云わないのじゃアあるまいかな。人形が物を云うなんて、どう考えたってへんてこだからなあ。でもし物を云わないとすると、弁才坊めが苦心して、唐寺の謎を解き明かせた、研究材料の有場所を、発見することが出来なくなる。困ったことだ、困ったことだ。……ナーニ、ナーニ、そんなことはないさ。どうかしたら物だって云うだろう。もし又物を云わないようなら、人形の腹を立ち割ればいい。そうしたら秘密は解けるだろう。『この人形を大事にしろ』弁才坊めが民弥めに、こんなように云ったというからな。大事な秘密が人形の中に、隠されているのは確からしい。……どっちみち早く帰るとしよう」
五条の橋を渡って行く。
渡り切った所に柳がある。ちょうどそこまで来た時であった。一つの人影が現われた。柳の陰から現われたのである。
「オイどうだったい猪右衛門さん」
その人影が声をかけた。同じ香具師の女親方、猪右衛門と相棒の玄女であった。
「ヨー、これは玄女さんか」
「首尾はどうかと思ってね、ここ迄様子を見に来たのさ。