Japanische Klassiker mit Furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme
本当に怒った若い武士は、手捕りにしようと思ったのだろう、「観念!」と叫ぶと躍りかかった。
それより早く、不思議な巫女は、サ――ッと後へ飛び退いたが、「お馬鹿ちゃんねえ」と云ったかと思うと、片手をヌーッと頭上へ上げた。キラキラ光る物がある。巨大な星でも捧げたようだ。カーッと烈しい青光る焔、そこから真直ぐに反射して、若い武士の眼を射た。魔法か? いやいやそうではない。胸にかけていた円鏡そいつを右手に捧げたのである。
だがそれにしても不思議である、いかに月光が照らしたとは云え、そんな鏡がそんなにも強い、焔のような光芒をどうして反射したのだろう?
「あッ」と呻いた若い武士は、二三歩背後へよろめいたが、ガックリ地面へ膝をついた。しかし勇気は衰えなかった。立ち上ると同時に太刀を抜き、
「妖婦!」と一躍切り込んだ。
「勇気があるねえ、いっそ可愛いよ。だが駄目だよ、お止めお止め」
沈着き払った巫女の声が、同じ場所から聞こえてきた。いぜん鏡を捧げている。キラキラキラキラと反射する。それが若武士の眼を射る。どうにも切り込んで行けないのである。
とはいえ若武士も勇士と見える。