Japanische Klassiker mit Furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme
「そうとも知らず連れ込まれたは、妾の油断には相違ないが、ムザムザ手籠に逢うものか! 武士の娘だ、あなどってはいけない!」
壁を背後にピッタリと背負い、褄を片手にキリキリと取り上げ、振り冠った懐刀に波を打たせ、荒くれ男の十数人を、睨んだ様子というものは、若くて美しい娘だけに、凄くもあれば立派でもあった。
驚いたのは人買共である。
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一整に立ち上ったが呶鳴り出した。
「油断をするな、大変な娘だ!」
「一度にかかって手捕りにしろ!」
「相当武芸も出来るらしい。甘く見込んで怪我するな」
そこで一同ダラダラと並び、隙を狙って飛びかかろうと、民弥の様子をうかがった。
飛び込んで来い! 叩っ切る! 敵わぬまでも防いで見せる! そうして一方の血路をひらき、この屋敷から逃げて見せる! ――民弥は民弥で決心を固め、四方へ眼を配ったが、敵は大勢、民弥は一人、多少武芸の心得はあるが、腕力では弱い女である、助太刀する者がなかったら、ついには手取りにされるだろう。そうなった日には最後である。他国へ売られてしまうだろう。
父は何者かに殺されてしまった。手頼りに思った右近丸は、どこへ行ったか行方が知れない。